柳谷 武

広島で広告制作の技術を別の用途に活用できないか。2007年から非営利ITラボSHAREFL(シェアフル)を立ち上げ、技術共有やコミュニティーづくりを開始しました。具体的には、技術を企業が独占するのではなく、技術者単位の横のつながりを作り、ゼロイチのモノづくりをしやすくし、それぞれの所属企業へも新しい視点をフィードバックする活動です。還元シェアエコノミーで技術を交換し合うようになり人と人の繋がりなど考え方が柔軟になることができました。

骨格センサーの利活用をテーマに、立体書道インスタレーション「エア書道」の開発と体験の場の提供をはじめました。広島市現代美術館どこでもゲンビ展の公募で松井みどり賞を受賞。その後、福岡、徳島、鎌倉等、地域をまたいだ活用依頼を受けて提供しています。 依頼を受けてのモノづくりと違い、開発したプロダクトを持ち運用する視点を経験できたことで、本業での受発注両視点で考えることができるようになりました。

2015年からデジタルファブリケーションの活用を始めたことをきっかけに、ITに限らず木工などの実物のあるモノづくりを始めることができるようになりました。インテリアになる親子の木製インテリアトイの商品群ブランドSukima.を立ち上げ、販売を開始。

2017年よりデザイナーとメーカーを繋ぐ行政の枠割を担う窓口「と、つくる」の立ち上げプロポーザルに参加し、実施事業者に選定されたことをきっかけに現在まで運用をサポートしています。8年で140社以上の取材を行い、記事にしてきました。デザイナーとして同業の立場もありながら広島市広域都市圏の産業振興をボトムアップさせるミッションの仕事も続けていることから「競争」より「共創」とう考えが根付いています。

伝統を維持するためにも、新たに挑戦したいと思う職人さんとの出会いから、欄間の加工技術を継承するためのツミキ開発がはじまりました。